Go to Mozambique(モザンビークへの旅)その3

8時間余りの苦行の後、深夜にドーハ到着、さっそくアルマハラウンジへ。ここでは軽い飲み物(といいつつ、ビール&ワイン)でしばし休憩。ハマッド空港は新しく、かなり広い。建物や設備はとてもきれいだが、訳わからん人形やオブジェとかがあり、ここらへんのデザインセンスは???である。

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本来であれば、2時間弱の待ち時間のはずだったのだが、3時間遅延のおかげで4時間余り休憩の後、QR1363便に搭乗し、朝方の5時半に離陸、ヨハネスブルグへ。この飛行機は1/3程空席があり、3人掛けの席を夫婦で使えたので、少しは楽でした。

 ※ここら辺は疲れ果て、記憶があいまいで写真を撮る元気もなかった。

さて、ただでさえ悪い噂の多いヨハネスブルグ到着である。本来ならば入国せずにトランスファー手続きだけで素通りできたのであるが、スーツケースの受取およびモザンビーク航空のチェックインの為に入国し、再出国しなければならん。まずはとにかく入国である。

随分と怖そうな顔つきの黒人係官が威圧的に入国カウンター前に、旅行者を並ばせている。並ぶ列も有無を言わさず、お前は10番に行け、お前は5番だなどと指示を出しており、私と家内は9番に行けとのこと。

実は持っているパスポートで国が判るため、そこで振り分けているらしい。お蔭でカウンターに行くなり、係官が「こんにちは」とにこやかに日本語で挨拶してくれ、「今回は観光か?」と聞くので、「トランジット、ゴーツーモザンビーク」のみでOKと言ってくれた。ありがたや、ありがたや。南アフリカ、いい国やん。

※後ろに並ぶ家内を指差し、係官へ「マイワイフ、セイムツー、トランジット」と言ったら、家内はほぼフリーパスでスタンプを押してくれました。ホントにありがたや。

 さて、無事に南アフリカに入国は出来たが、まだまだ油断はならん。怪しげな周りの乗客に注意しつつ、自分のスーツケースを確保し、更に強面の空港職員に金をせびられないように、モザンビーク航空のカウンターまでたどり着くという試練が待っている。一応、ドルの大半はマネーベルトでズボンの中だし、いざという時の為に10ドルほどの金は裸でポケットに入れておいた。

と気合を入れつつ、荷物受取の回転台へ。意外とすんなり出てきてくれたので、さっさと台車に乗せ、モザンビーク航空のカウンターを探す。このタンボ空港は結構大きく、カウンター探しも一苦労である。搭乗便名がのっている掲示板を探すが、これが意外と遠いところにしかなく、かといって(きっとワルの)空港職員に聞くわけにもいかん。何とか空港カウンターの位置を探し当てたが、これが一番奥の奥。途中のカウンターは人が沢山いるのに、だんだん人影もまばらになり、カウンターにも人がいないところが多い。大丈夫か、と思いつつもモザンビーク航空カウンターを目指し、やっとたどり着くが、なんと無人である。おいおい、勘弁してくれ。こんなのは初めて見た。

気を取り直しカウンターデスクを良く見ると、紙のボードが立てかけてあり、「ランチタイムで今はお休み。13時まで待ってて」の文字が。※英語でしたけどね。

まだ12時40分くらいだったので、仕方なく待つことに。ところが、13時を過ぎても誰も帰ってこない。やはりアフリカである。

やっと13時15分くらいにしーはーしながら、男性職員と女性職員が帰って来た。ネットで予約しただけなので、紙で出力したEチケットがなく、タブレットの画面を直接見せながら、予約番号とパスポートを確認してもらう。意外と親切に受け付けてくれ、感熱ロール紙の航空券(これも初めて見た)を渡される。

スーツケースを預ける際は、くどいほど「マイラッゲージ、ゴーツーナンプラ、OK」を繰り返しておいたが、大丈夫だろうか?まあ、なるようにしかならん、と観念する。

さて、出国カウンターに行こうとしたら、モザンビーク航空のカウンターの中の通路を指差し、「こっちからが早い」とのこと。「ありがとね、サンキュー」と礼を述べ、教えられた通りに進むと、ほとんど人気がない。途中でいくつものカウンターが並んだところがあったが、そこも無人だったので通り抜け、そのまま進むと出発ゲートに出た。

うーん、ここって出国カウンターが出発ゲートの先にあるのか?と悩んでいると、家内が横から「さっきのカウンターだけど、一番端っこの一つだけ人がいたけど」とのたまう。どうも人がいないことをいい事に、勝手に出国ゲートを抜けてしまったらしい。これは困った。しかし、今から戻って「俺たちは勝手に出てしまった、きちんとチェックしてくれ」と説明するのも、なんかややこしいことになりそうだ。

結局、このままそっと出国しようかねと、のほほん夫婦はションゴロロラウンジへと向かったのでした。※こんなことはマネしないように。

 ションゴロロラウンジであるが、実はこのラウンジが一番良かった。受付のワイルドな美貌のお姉さんが、にこやかに受け付けてくれ、中の座席も色々なタイプがあり、ソファータイプや丸椅子、カウンターなど、なかなか面白い作りで、食事も色々な種類が揃っており、南アフリカワインにいたっては6種類くらい並べてある。ビールやソフトドリンクもかなりの種類が冷蔵ショーケースに並べられ、ウィスキーやブランデー、ウォッカやジンまであり、普通にショットバーが開けそうな感じ。本来は、入国したくなかった南アフリカであるが、このラウンジだけは別世界である。いやあ、搭乗が延びて良かった。(笑)

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 ビールを二本とワインの4杯目を飲み干す頃(お料理も美味しく頂きました)、搭乗1時間前となり、出発ゲートへ向かうことに。

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モザンビーク航空TM2352便:16時10分発(現地時間、日本と7時間の時差です)ですが、今までの路線と違い、モザンビークを目指す物好きは余りいないらしく、待っているのは数えるほど。※20人はいなかったはず。まあ、ギュウギュウ詰めのドーハ便よりはましです。

↓一応、DutyFreeShop

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↓余りやる気のなさそうな売店

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待っていると、搭乗案内が始まり、マイクロバスに乗せられた。

地方へ行く飛行機は大抵ブリッジでの搭乗ではなく、離れたところまで車で行き、タラップで乗せられますが、本当に遠い場所まで連れていかれ、待っていたのがエムブラエルのリージョナルジェット機。これはこれで、いい体験かも。機内に入ると、左側に一人掛け、右側に二人掛けの座席配列となっており、一応50人乗りらしい。

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CAも一人だけで、しかも男。ですが、このCAの彼、とっても良く働く真面目な男でした。離陸したと思ったら、さっさと飲み物を配り、その後、軽食(パン)の入ったランチボックスを皆に配布し、飲み物のお変わり、食べた後のごみ回収と、2時間弱のフライトの間で、精力的に頑張ってました。うーん、偉いぞ。アフリカの青年。

それに20人くらいしか乗客がいないので、左側の一人掛け席に座ってもOK。アフリカの大地と夕暮れを窓から楽しむことが出来ました。 f:id:danjoego:20161008090033j:plain

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そんな夕暮れ時(18時20分)にテテ空港に到着。私達はナンプラまで行くので、そのまま座っていたら、CAの青年が「あなた達も降りろ」とのこと。どうやらここで入国審査をするらしい。まあ、考えてみればいくら中継空港とはいえ、南アフリカからモザンビークに飛んで来たわけだから、ここで入国するのが当然と言えば当然か。そこで、飛行機を降り、他の乗客と一緒に空港ビルを目指す。

このテテ空港ですが、実に小さい空港で、空港の建物も平屋で、どこぞの農協支所といったレベル。そこの建物に入って行くと、中のおじさんが「入国する者はこっちに来い」と言っており、そこでパスポートとチケットを見せると番号札のようなもの(私は1番、家内は2番)を渡され、通路の先(と言っても10mほど)のカウンターに行けとのこと。

※番号札を持って行ったが、先に番号札を持っていない外国人が既に入国審査を受けていて、なんだこれ??。ただその後は、他の人より先に入国審査出来たので、どうもナンプラまで行く人間を優先させるファストパスみたいなものなのかも。(ナンプラ行は同じ飛行機で19時発)

 でもって、ここからがアフリカの洗礼。入国審査と一緒に荷物検査をやっていて、手荷物と一緒にヨハネスブルグで検査を受けたスーツケースもX線検査に通しているのだが、これが実に混乱の極み。

もともと小学校の教室程度しかない部屋に、X線検査の機械が1台、入国をしてくる人が通路から押し寄せ、滑走路側の入り口から検査を受けるスーツケースや荷物類が、どやどやと運ばれてくる。運ぶスタッフも5~6人で担当しているが、どうもリーダーらしき者もおらず、適当に運んでいる様子。そして、この荷物の置き方もX線機械に通す手順もめちゃくちゃなため、検査済みと検査前の荷物がごっちゃ状態、おいおい、大丈夫か?大体、荷物の入り口と出口が一緒で、置き場所も一緒って、ありえん。少しは考えろよ、これって毎日の業務だろ?

そんなところに我々と別の飛行機が到着したらしく、またもや乗客が押し寄せ、荷物もどやどやと。カオスの極みです。入国審査のカウンターの中では、怪しげな中東の客が審査で揉めてるらしく、中国人もなんか言ってる。

とにかく、我々のスーツケースをしっかりと確認させ(一回検査を通したスーツケースを、まだと勘違いされ再度通す羽目に)、比較的真面目そうな運び屋のおじさんに「マイラッゲージ、ゴーツーナンプラ、ユアOK?」を5回ほど繰り返し、おじさんが建物の外に出るまで、しっかりとお見送り(見張り)しました。ふう。同時に別の便の荷物も運んでいるので、結構な確率で間違えてるんじゃないかな。

 何とか入国審査も終わり、ここで飛行機に戻り機内に入ると、奥の座席で息子が手を振っている。そうでした、ナンプラ直行便に乗れなかったので、心配した息子がこのテテまで来てくれてたんですな。いやあ、ホッとしました。まじで。

さて、日もとっぷりと暮れたアフリカの夜空へ機体が飛び立ち、またもやCA青年は満席近い乗客に(テテからの乗客が増えた)てきぱきと飲み物とランチボックスを配り、20時10分にやっとナンプラに到着。さあ、何とか着いた、とほっとした矢先、ここから更にアフリカのカオスを味わうことに。

※以前から、モザンビークでは空港職員と警官が腐っていることを息子から聞かされ、「街中で警官と目を合わせるな」ともアドバイスを受けていた。その心構えは出来ていたはずだったが…。

 ナンプラ空港はテテより少し大きいものの、日本の地方空港より小さいサイズ。空港ビルが鉄筋2階建てで、食堂らしきものがある分、テテより利用客も多いのだろう。

機体を降りて、テテと同じく徒歩で空港ビルに向かい、手荷物受取場所に行くと、ここも教室位の広さで回転テーブルなどは当然なし。後からトラックが運んできて、おじさんたちが一つずづ投げ込んできます。ここで小さいほうのスーツケース到着。ところがあと一個のスーツケースが待てど暮らせど届かない。

そこで、息子が荷物預りのタグを持って空港係官に「荷物が届かない、確認してくれ」(と言ってたと思う)と言うと、なんと係官は逆切れ。息子と現地語(多分ポルトガル語のはず)でかなり激しい応酬、その後なんと隣の小部屋でスーツケースを開けて見せろとのたまう。これか、空港職員のたかりって。

この小部屋が8畳くらいのスペースに窓もなく、照明器具が付いていたと思しきコードが天井から垂れ下がっているという、いわゆる「おしおき部屋」。こんなところに連れ込まれ、スーツケースを開けさせられ、妙な言いがかりを付けられたら、大抵の人なら言いなりに払うんでしょうな。息子よ、頑張れ。

結局、開けさせられたスーツケースに妙なものが入っている訳もなく、今度は息子が、ふんとそのまま出て行こうとする係官に「おい、そのままか」「このくそ野郎」と日本語も交えて罵声を浴びせ、「何だと」(と言ったんじゃ?)と言い返す係官に、つい私も「こらあ、何じゃ」と日本語で参戦。今度はこちらに向かう係官に、横から息子が間に入り、「&%$$#」(何といったか判らん、まあ、くそ野郎とかの類でしょうな)。ここでもカオスです。

とそこで、1台のトラックがやってきて、こそっと私のスーツケースを置いて行ったのに気づき、息子に「おい、もう届いたから、良い」と休戦のススメ。いい加減ホテルでゆったりしたいし。ところが百戦錬磨の空港係官(たかり屋)が目ざとく見つけ、それも開けて見せろと、再度の言いがかり。おいおい、またかよ。

これにも息子がまたもや激しく応酬。こりゃあいつ終わるんだ、と思っていたら、やはり足止めを食っていた黒人家族の荷物(怪しげな段ボール箱)の方が手間取っているようで、「もういい、判った。とっとと行け」と釈放されたのでした。はあ、入国審査はテテでしたはずなのに、なんで同じ国内空港でこれだけ検査する?

まだ荷物が届いてない(一人ぼっちの)心細げな中国人客に、心の中で、国境を越えて頑張れコールを送りつつ、とっととその場を離れました。その後、どうなったんだろう、あの人。※息子曰く「チャイナは、本国でワイロ慣れしてるので大丈夫」だそうです。(またまた続く)