高野英男さんの生き方。

年末に悲しいニュースが流れた。

福島県の病院長が自宅で火災にあい、亡くなったというものだった。

福島県広野町にある高野病院、そこで震災後の原発事故に巻き込まれながら、医師としてただ一人残り、80歳を超えながら日夜急患にも対応しながら、診療を続けていた方だった。

NHKでも取り上げられたので、ご存知の方も多いと思うが、本当に地域医療の為に尽力を尽くされた方だったと思う。原発事故さえなければ、今頃は後進に道を譲り、悠々自適の生活をされていてもおかしくなかっただろうに、最後まで医師としての使命感を果たしながら、生き抜いた人だった。

本来、病院は一人医師での運営は認められていないが、この病院が無ければ福島の広野町の地域医療が崩壊していたと思われ、流石に厚労省も例外規則で対応したのだろう。民間の医療法人なので、公的な支援は難しかったのかもしれないが、何か支援が出来なかったものかと歯がゆい思いも残る。

ボランティア医師の派遣も今後予定されているようであるが、是非とも高野さんが懸命に守り続けた地域医療の灯を消してはならないと思う。

高野英男さんの生き方を偲びつつ、高野病院が今後もかの地で診療活動を継続できることを願う。それが一番の供養と信じつつ、合掌。

 

※在りし日の高野英男先生(高野病院のホームページより)

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